スクロウエイブスプリング(コイルドウェーブスプリング)の特長

コイルスプリングでは自由長が高くなり、製品を無用に大きくしてしまうといった不満はありませんか?
スクロウエイブスプリング(コイルドウェーブスプリング)であれば、自由長を極力低く抑えることができるので、設計の省スペース化に大きく貢献することができます。
- 圧縮コイルスプリングのほぼ半分の高さで、同等の荷重を発生することができます。
- 山数と巻数の組み合わせで、様々なばね特性に対応することができます。
- 角が丸い平線材をコイリングして成形するので、プレス成型品に見られるバリ、ダレ、カエリなどは発生しません。
- オーダーメイドの場合でも、基本的に新たに金型、治具などを製作する必要がありません。
- 材質は一般的な炭素鋼の他、さびに強いステンレス鋼も用意しています。
スクロウエイブスプリングの設計
ばね定数の算出
K=W/V |
V=(W・f・Dm^3・Z)/(E・b・t^3・N^4)・(ID/OD) |
スクロウエイブスプリングのばね特性は非線形ですが、全たわみ域の中央60%程度は線形に類似するため、この領域を概ね該当するものとしています。
応力の算出
σ=(3・π・W・Dm)/(4・b・t^2・N^2) |
応力の算出 |
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K : ばね定数(N/mm) |
V : たわみ(mm) |
W : 荷重(N) |
OD : リング外径(mm) |
ID : リング内径(mm) |
Dm : リング中心径(mm) |
f : 補正係数 |
Z : 形状係数 |
E : ヤング率(MPa) |
b : 素材幅(mm) |
t : 素材厚(mm) |
N : 山数 |
σ : 応力(MPa) |
補正係数(f) | |
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N=2~4 | f=3.88 |
N=4.5~6.5 | f=2.9 |
N=7~9.5 | f=2.3 |
N=10~ | f=2.13 |
形状係数(Z) | |
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V・OVタイプ | Z=1 |
2Vタイプ | Z=1/巻数 |
Wタイプ | Z=巻数 |
スクロウエイブスプリングのラインナップ
※ Virtural 3Dに関しては、Internet Explorer10 以上で閲覧することを推奨致します。
スクロウエイブスプリングの使用例
車載カメラ
スペースの小さい小型カメラの中でも全長の短いスクロウエイブスプリングであれば、容易にレンズの焦点を調節することができ、組み立て作業の効率を上げることができます。
ケーブルコネクタ
限られたスペースでもスクロウエイブスプリングの強い反力と円周上での均等な与圧が、信頼性の高いラッチロック機構を可能とし、確実にコネクタを接続します。
フローティングコネクタ
以前は圧縮コイルスプリングが使用されていましたが、スクロウエイブスプリングを使用することにより全長を短くすることができ、コンパクト化に成功しました。
メカニカルシール
ポンプなどのメカニカルシールの使用例です。圧縮コイルスプリングが使用されることが多いですが、スクロウエイブスプリングを使用することにより全長を短くすることができます。